そもそもこの楽団との結縁は、今をさかのぼること13年前の初秋『ラマダンの夜』なるコンサートでパキスタンから来日したファイズ・アリー・ファイズ楽団のタブラー奏者リズワーン・アリーからだった。
「バダル・アリーというよい歌手がいる。日本の歌も歌える」と手渡されたCDRから始まった。
リズワーンは自分の兄弟楽団を売り込んできたのだ。
現地で数回ライヴカウワーリーを聴き、バダル・アリー&バハードゥル・アリーの潜在力の高さはすぐわかった。
2012年、2013年の在京パキスタン大使館主催の「パキスタン・バザール」に売り込むのはこちらの番だった。
日本社会でも在日パキスタン人社会でも全くの無名だった中堅のカウワールたちを呼ぶ決断にジーラーニー公使は勇気がいったことだろう。しかし彼らが来日し歌を聴かせたとたんにそのムードは一変した。
翌2013年にはより積極的に大使館は後援した。
日本の聴衆も、ヌスラット・ファテ・アリー・ハーンだけがカウワールではないことを理解してくれた。
その高みに達するまでは更なる精進が要るけれど、現地に近い形で日本においてパンジャービー・ダング(スタイル・様式)の熱狂的なステージを繰り広げられる実力と聴衆に愛されるキャラクターを併せ持つタレントは、彼らが天から与えられ、謙虚に磨きをかけてきた唯一無比なるものだ。
6年ぶりの来日、6年間のパワーアップの実りをいま享受したい。どうか、その秘密の共有者になっていただきたい。
主宰・聖者の宮廷講 村山和之
出演
バダル・アリー&バハードゥル・アリー兄弟楽団
パキスタンの古都ラホールを拠点に活動するカウワール(カウワーリーに特化した職能的音楽家)。2012,2013年に次いで3度目の来日。
バダル・アリー
Badar Ali
楽団長・主唱者
ムハンマド・シャーヒド
Muhammad Shahid
合唱・手拍子
バハードゥル・アリー
Bahadur Ali
副唱・ハルモニウム奏者
エヘサーン・アリー
Ehsan Ali
合唱・手拍子
↓
モホスィン・アリーMohsin Ali
出演者が
変更になりました
ワッカース・アリー
Waqas Ali
タブラー奏者
シャフカット・アリー
Shafqat Ali
合唱・手拍子
村山和之
諸大学での非常勤講師。南・西アジア文化照光会議議長。
パキスタン南西部バローチスターン地方を対象とした言語・民俗文化研究者。
パキスタンのカウワーリーは、メヘル・アリー&シェール・アリー兄弟楽団(2004年)、ファイズ・アリー・ファイズ楽団(2006年)、バダル・アリー&バハードゥル・アリー兄弟楽団(2012年、13年)の紹介を務める。
「カッワーリーの現在地--インド・パキスタンのイスラーム神秘主義歌謡」『和光大学表現学部紀要(7)』(2006年)、『旅の指さし会話帳75 パキスタン(ウルドゥー語)』情報センター出版局(2007年)ほか多数の論考あり。
サラーム海上 (8/18公演)
音楽評論家/DJ/中東料理研究家/朝日カルチャーセンター講師
中東やインドを定期的に旅し、現地の音楽と料理シーンをフィールドワークし続けている。
9冊の著書、雑誌やWEBでの原稿執筆のほか、ラジオやクラブのDJ、オープンカレッジや大学での講義、料理教室講師等、活動は多岐にわたる。選曲出演するJ-WAVE の中東音楽専門番組「Oriental Music Show」が2017年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント番組部門最優秀賞を受賞。
コミュニケーション言語は英語、フランス語、ヒンディー語、日本語。
著書
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MEYHANE TABLE More! 人がつながる中東料理(LD&K 2019)
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ジャジューカの夜、スーフィーの朝(DU Books 2017)
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MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー(LD&K 2016)
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イスタンブルで朝食を オリエントグルメ旅(双葉文庫 2016)
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おいしい中東 オリエントグルメ旅(双葉文庫 2013)
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21世紀中東音楽ジャーナル(アルテスパブリッシング 2012)
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エキゾ音楽超特急 完全版(文化放送メディアブリッジ 2008)
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PLANET INDIA インド・エキゾ音楽紀行(河出書房新社 2006 )
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エキゾ音楽超特急 とびだせジャパニ!(双葉社 2003)